【書評No.5】『無趣味のすすめ』ささる人とそうでない人真っ二つ

無趣味のすすめ書評読書
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こんにちは、タズキ(@tazukiblog)です。

書評第5弾は、実家の本棚にあった小説家・村上龍さんの『無趣味のすすめ』です。

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11年も前に発売され当時話題になっていた記憶があります。

家にあることは知っていたけれど、読んでいなかったので読んでみました。

 

もしかしたら30代以下にはあまり馴染みのない作家さんかもしれないけれど、その点を踏まえて、本書がおススメなのは次の方!

  • 小説家・村上龍が好きな人
  • 仕事に真剣に取り組んでいる人
  • 仕事は人生の一部となっている人

タイトルは『無趣味のすすめ』ですが、本書は村上龍さん独自の視点で人生について書かれたエッセイを1冊にまとめたものです。

この人生学・仕事論がささる人と、ささらない人、真っ二つに分かれそうに感じましたが短いので一瞬で読める読みやすい本でした。

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【書評No.5】『無趣味のすすめ』ささる人とそうでない人真っ二つ

読んだ経緯

本書『無趣味のすすめ』を読んだのは、ただ単に家にあり目に止まったから。

特別な思い入れがあって読んだわけではありません。

11年前になりますが当時本屋でよく目にしたのは覚えています。

村上龍さんについては、有名な小説家ということは知っているけれど、それよりも「カンブリア宮殿」の怖い司会の人

といったイメージが強いです。

著者:村上龍さんのプロフィール

1952年長崎県生まれ。

1976年『限りなく透明に近いブルー』で第75回芥川賞受賞。

『13歳のハローワーク』は130万部を突破するベストセラー。

という小説家ですが、今ではそれよりも毎週木曜日のテレビ「カンブリア宮殿」の司会としての方が有名かも。

本の概要

目次

本書は、2006年月刊「ゲーテ」創刊号より2009年4月号に連載されたものをまとめ、4篇を書き下ろし加えた短篇エッセイ集。

全部で48篇になります。

すべて書いてもしょうがないので、いくつかタイトルを記します。

  • 無趣味のすすめ
  • 「好き」という言葉の罠
  • 仕事と人生のパートナーシップ
  • 最高傑作と「作品群」
  • 夢と目標
  • 集中と緊張とリラックス
  • もてなしと接待
  • ビジネスと読書
  • 謝罪という行為は
  • スケジュール管理
  • モチベーションと希望
  • 部下は「掌握」すべきなのか
  • 後悔のない転職
  • 決断する力
  • アドバイスについて
  • ビジネスにおける文章
  • 失敗から得るもの

結構書いてしまいました!

本書の特徴と感想

村上龍さんの視点で人生論、主に仕事論が書かれていました。

2009年というとサブプライムローン問題からのリーマン・ショック。

倒産が相次ぎ、就職不況の時代です。

本書のタイトルが『無趣味のすすめ』なので、そもそもそこから反感を買うこともありそう。

本書の一番はじめに掲載されている「無趣味のすすめ」は、趣味といえるようなものにはリスクもないし、真の達成感は得られない。

だから、著者は趣味をもたない。というか、仕事こそが危機感を伴い真の達成感を味わえるものだ。

ということ。

これには本当に賛否両論、というか否定の方が多そうです。

他にも、著者独自の視点で、世間で当たり前になっている風潮、例えば「モチベーション」とか「リラックス」とかについてぶった切っています。

重要ポイント

僕自身はピンとこず読み流した章もあれば、結構ささった内容もあります。

その中でも特に気になった3点をご紹介。

「好き」という言葉の罠

なぜ好きなの?どう好きなの?と聞かれても、うまく答えられないのだ。「好き」が脳の深部から湧いてくるもので、その説明を担当するのは理性なので、そこに本来的なギャップが生まれるからだが、逆に他人にわかりやすく説明できるような「好き」は、案外どうでもいい場合が多い。(p.28)

なるほどと思いました。

だから好きな理由がわからないことってたくさんあるんだと。

夢と目標

目標は、あったほうがいいという程度のものではなく、本当は水や空気と同じで、それがなければ生きていけない。目標を持っていなければ、人は具体的にどういった努力をすればいいのかわからない。ものごとの優先順位もつけられない。また当たり前のことだが、目標は天から降ってくるものではいし、誰かから与えられるものでもない。自ら設定できなければなんの意味もない。(p.50)

目標は大切だ。目標を立てなさい。

よく耳にする言葉です。

ただ村上龍さんは、目標に対してもっと厳しい意見を持っています。

昔、会社員だったこと自分の年度目標を上司が決めていたことを思い出し、ほんとに全く意味なかったなと思いました。

ビジネスにおける文章

仕事における文章は、物語性がない分、さらに正確で簡潔であることが要求される。当然のことだが、コツや秘訣はない。ダメな文章を書く人は、文章が下手なのではなく、そもそも自分が何を伝えようとしているのか自分で理解できていない場合が多い。(p.108)

この文にはハッとさせられました。

ブログにも当てはまることです。

自分が何を伝えようとしているのか理解できていないからダメな文章になる。

最もだと思いました。

肝に銘じて自分が自信を持って説明できるまで、まず理解する。そして、アウトプットする。この繰り返しを徹底します。

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【書評No.5】『無趣味のすすめ』ささる人とそうでない人真っ二つまとめ

本書を読み終えたら、

  • 村上龍の考え方
  • 仕事に本気で向き合うということ
  • 「カンブリア宮殿」で数多くの経営者に会っているからこその視点

を感じ取れます。

「好きなことして生きていきたい」とただ楽なことだけ考えるタイプの人には向いていません。

そういう人は読まなくて良いと思います。

(本心は、そういう人にこそ読んでほしい!)

けれど、昔ながらの仕事に向き合う姿勢を感じ取りたい人にはおすすめです。

  • 書籍名:無趣味のすすめ
  • 著者名:村上龍
  • 出版社:幻冬舎
  • 出版日:2009年3月26日
  • キーワード:人生論

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